子どもの 「心」を育てる 6 「自分を信じる心」

  • のびのび子育て(PHP出版)に連載された、
    子どもの心を育てるシリーズを紹介していきます。

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    第6回のテーマは「自分を信じる心」です
    これは、「自己肯定感」とも言え、
    これまで毎月お話ししてきたことすべてが、
    このテーマにつながっていると思います。

    では、とても大切なこの心を育むために、
    親としてできることは何でしょうか。

    【自分を信じる心】

    子どもは、目標に向かって努力をし、
    できなかったことができるようなると、
    大きな達成感を味わいます。

    そのとき、「やれば、できる!」と思えるよ
    うになる。

    それが自信=自分を信じる心がつく

    ということです。

    自分を信じる心は、生きていくために何よりも
    大切なもの。

    最近、よく聞く「自己肯定感」ということに
    なります。

    自分を信じることができれば、どんな困難にも
    立ち向かっていくことができます。

    他人と比べて「自分はダメだ」と落ち込むこと
    もなく、心に余裕があるので他人をバカにする
    こともありません。

    本当の意味で強く、やさしい人間になれるのだと
    思います。

    ただ、「自分を信じよう」と言うだけでは、子ど
    もたちは何をどうすればいいのか、わかりません。

    自分を信じる心も、やはり何らかの経験を通して
    育まれるものです。

    バディでは、自分を信じる心を育むために、子ど
    もたちには「やれば、できる」という経験をさせま
    す。

    ほんの小さな達成感でもいいから、とにかくたくさ
    ん味わってもらう。

    それが積み重なれば、大きな自信となるからです。
     
    【「できた」と自分で声に出すことで確信に変わる】

    私が子どもたちに対してやっているのは、
    何かができたとき、「できた」という言葉を自分の
    口で言わせることです。

    たとえば、跳び箱。最初は、ほとんどの子が跳べません。

    跳び箱の前に来ると怖くて止まってしまう。
    それを何度も繰り返すうちに少しずつ恐怖心が薄れ、
    1段は跳べるようになります。

    そのとき、見ている私もうれしくなって、つい
    「できたね!」と言いたくなりますが、
    その言葉をぐっと飲み込んで、
    「いま、できた?できない?どっち?」と聞きます。

    そこで子どもが「できた」と答えたら、
    「だよね! できたね!」と言って、ハイタッチ。

    子ども自身が「できた」と口に出して言うことで、
    「ああ、自分は本当に跳べたんだ」と確認できます。

    さらに、私に「だよね!」と認められたことで、
    できたことを確信する。それが自信と勇気につな
    がっていくのです。

    なかには、すぐに答えられない子もいます。
    でも、そこで私は「できたと思うよ」とは言いません。

    いいよ、言ってごらん、という空気感を出しながら
    「できた、できない、どっちだと思う?」
    と聞きます。

    するとその子はようやく、小さい声で「できた」と。

    れに対して私は「だよね、できてるよ!」。
    すると、その子の顔がみるみる明るい表情に。

    それは自信がわいてきた証拠です。

    では、跳べなかった子に対しては、どう声をかけ
    るか。子どもはうつむきかげんで歩いてきます。

    私に何か言われると思っているのでしょうが、
    私は何事もなかったかのように「はい、次!」
    と声をかけ、もう一度跳ぶように促します。

    今度も跳べない、「はい、次!」と、
    落ち込むひまを与えず、
    とにかく何度も挑戦させていると、
    そのうち1~2段は跳べるようになってきます。
      
    それでも跳べずに落ち込んでしまった子には、
    「最初はできなくても大丈夫! 
    練習すれば必ず跳べるようになるよ」
    とまるで暗示をかけるように言います。

    そして、跳べるまでやってもらう。
    すると本当に跳べるようになるものなのです。

    跳べたらまた、私は子どもが自分の口で「でき
    た」と言うように仕向けますが、
    その後は、「そうだ、できたね! 最初はできな
    かったのに、なんでできたのかな?」と聞くのです。

    すると子どもは

    「一生懸命に練習したから」

    と答えるでしょう。

    それに対して私は、「そうだよね。あきらめずにがん
    ばったから跳べたね。やればできるんだね」。

    そして、この念押しの一言で、子どもの頭の中に
    は、「やれば、できる」という自信が刷り込まれる
    のです。

    【経験からしか身につかないこともある】

    ご家庭でもぜひ、お子さんとこのようなやりとりを
    していただきたいのです。

    何かに挑戦して、それができたとき、
    ただ「すごい!」と感嘆の声を上げるだけでなく、
    ぜひお子さん自身の口で「できた」と言わせてください。

    それはすなわち、自分で自分をほめていることになります。

    人にほめられるとうれしいものですが、
    自分自身にほめられたら、もっとうれしい。

    それで、自分を信じられるようになるのです。

    これまで、6回にわたって、幼児期から身につけておきたい
    「心」についてお話ししてきました。

    いずれも、親が号令をかけたからといって、その力が
    つけられるものではありません。

    まずは、何でもやってみることが大事。
    そこで壁にぶつかったり、穴に落ちたりという経験からしか、
    身につかないこともあるのです。

    そして親は、わが子が経験する姿を見守っていてください。
    決して先回りしたり、口や手を出しすぎないように。

    子育ては忍耐の連続。なかなかむずかしいことかもしれま
    せんが、わが子のためにがんばりましょう。

    そして最後に。子どもというのは、親の真似をしながら育
    ちます。

    わが子に「こうあってほしい」
    と思ったら、まず自分が「そうある」必要があるでしょう。

    今までお話しした6つの心を育む方法についても

    ぜひ、お子さんと一緒に実践してみてください。


     
    バディスポーツ幼児園
    菊池 剛

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