こどもの「心」を育てる4 あきらめない心

【あきらめない心】

バディスポーツ幼児園では、8時から登園が
始まり、10時までを朝の運動時間としています。

園に着いて、自分で登園シールを貼ったら運動開
始。

体育館では器械体操やボール運動、屋上のグ
ラウンドでは短距離ダッシュと2~3kmのラン
ニングなどをして体を動かします。

「朝、ひと汗かいてから授業に取り組むと、
脳が活性化する」ということは、
アメリカのジョン・J・レイティ博士の研究に
よって明らかになりましたが、
子どもたちを見ていると納得できます。

私たちが幼児教育にスポーツを取り入れてい
る理由は、そこにあるのです。 

スポーツを通した教育は、
本園以外にも徐々に広がりつつあるようです。

考え方ややり方はさまざまですが、
私たちの園で重視しているのは、
「目標を立てたら必ず達成させる」こと。

それによって、「あきらめない心」を育てる
のがねらいです。

達成感があきらめない心を育む
たとえば、当園で年1回開催されるマラソン大
会。

ここでは、体調不良でない限りは全員完走を目
標に掲げています。

マラソン完走なんて、子どもたちにとっては
厳しすぎるのでは? 
と思われるかもしれません。

たしかに、少し厳しいかなと思うときもありま
す。

しかし、だからこそ目標に掲げているのです。

一般的には、
「走れるところまでがんばればいい」
「結果より、どうがんばったかが大事」
とする園が多いかもしれません。

だから、ちょっとつらそうな顔をしている子
には、
「もう、走らなくてもいいよ」
と声をかけることも少なくないようです。

でも、私たちはその気持ちを抑え、

子どもたちにはあえてゴールまで走り切らせます。

立ち止まっても、またスタートできるということ、
「一歩でも前に進めば、ゴールは見えてくる」
ということを学んでほしいからです。

もし「よくがんばった。もう走らなくてもいいよ」
と声をかけたら、
子どもは「苦しくなったら、やめてもいいんだ」
と思って、何事も最後までやり
とげられなくなってしまうかもしれません。

あるいは、
むずかしいことや苦手なことを避けるように
なってしまうかもしれません。
 
でも、途中で立ち止まりながらも、
なんとかゴー
ルをした子どもに「どうだった?」と聞くと、
疲れをにじませながらも清々しい表情で

「最後までがんばってよかった!」

と言います。
そして、そこで得た、
「苦しくても、あきらめずに最後までやり
きってよかった」という達成感は、

「やればできる」という自信となり、
あきらめずに
困難なことにも挑戦していくという心につな
がっていくのです。

もちろん、途中でケガや体調を崩してしまった
ときは、話は別です。

そこで無理を強いるのは、教育でも何でもあり
ません。

しかし、あと少しがんばればゴールまで走り切
れそうなら、最後まで見守り続けます。

それが、子どもの中に、何があってもへこたれ
ないたくましさ、あきらめない心を育むのだと
いうことを、
私は子どもたちに教えてもらいました。

【目標設定は「がんばればやりきれる」ところに】

ここまで、マラソンを例にとってお話ししてきま
したが、それ以外にも、何か目標を立てるときには
「なんとかがんばれば、やりきれる」ところに設定
するのがいいと思います。

さらに、目標の高さを徐々に上げていくといいで
しょう。そうやって子どもが努力できる範囲を広
げていけば、おのずとその子の能力は伸びていき
ます。

周りにいる大人がどう導くかによって、
子どもの可能性は無限に広がり、成長していく。

そのことを、私は日々、子どもたちを見ていて
実感しています。

【子どもの状況を見極める大切さ】

お父さんお母さんに、心に留めておいていただき
たいのは、子どもが目標に向かって進もうとしてい
るときは、手や口を出しすぎず、かといって子ども
まかせにしないこと。

幼い子どもは、なかなか「やりきる」ことができ
ません。

周りの大人が「やりきれるように導いてあげる」
必要があるのです。

そのためには、前述したように、「もう、無理」と
言い始めた子どもが、本当にできない状況にある
のか否かを見極めることが第一。

その上で、子どもがなんとかがんばれそうなら、
すぐに助け舟を出さないことです。

かわいいわが子の、つらそうな姿に心は痛むで
しょう。私も子どもを持つ身ですから、その気持ち
は、よくわかります。

でも、あきらめずに最後までやりきったわが子の、
自信に満ちた表情を見れば、
痛みも吹き飛ぶはずです。


横浜バディスポーツ幼児園
理事長 菊池 剛